Salvete! SSL(Student Staff Leader)のR.T.です。最近入学したばかりと思っていたらもう12月で、SSLにも後輩ができていました。直近の感想としては、「ラテン語の文法が難しすぎる」。格変化と動詞の活用が多すぎて覚えきれないです…
さて、今回のブログのテーマは、「私がいま旅行したい場所」です!SSL随一の歴史オタク(自称)の私が、独断と偏見でいま行きたい都市や地域をランキング形式で発表しちゃいます!早速ランキングに参りましょう!
◆第5位 クルンテープ・マハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロック・ポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット(タイ王国)
第5位はタイの首都・クルンテープマハーナコーン、通称バンコクです!バンコクの建設は、現在まで続くラッタナーコーシン朝を創始したラーマ1世に始まったとされています。19世紀には周辺国のインドやビルマがイギリスの、カンボジアやベトナムがフランス植民地となっていったのに対し、ラーマ5世による近代化政策の努力や緩衝地帯としての地政学的価値からタイ王国は独立を保ち、その首都であるバンコクは発展していきました。東南アジア諸国連合(ASEAN)の設立にも中心的な役割を果たし、現在は東南アジア有数の都市といっても過言ではないでしょう。タイといえば黄金の仏像や仏教建築のイメージかもしれませんが、それだけではないのです。バンコクには伝統的な寺院や水上マーケットなどの施設のほかにも、近代的なビル群が立ち並び、鉄道駅やスワンナプーム国際空港等の交通の要となる巨大ターミナルがあり、多様性を垣間見ることができます。バンコク観光で私がオススメしたいのは、ラチャダー鉄道市場!旧鉄道軌線の上に数多くの屋台やレストラン、パブなどが集まり、その光景はとても神秘的です!
◆第4位 サマルカンド(ウズベキスタン共和国)
第4位はウズベキスタンの古都・サマルカンドです!サマルカンドはシルクロード交易路上にある重要なオアシス都市で、古くよりソグディアナ地方、あるいはマー・ワラー・アンナフルの中心地として文明が栄えていました。8世紀にはウマイヤ朝の征服、11世紀にはカラハン朝の征服を受けてイスラーム化・トゥルク化が進展。13世紀にはインドから黒海に至る交通路を独占したホラズム・シャー朝の首都となり繁栄していましたが、モンゴル帝国の侵略を受けて荒廃。その後はモンゴル帝国の西南部地域を制覇したティムール朝が支配し、同国の首都としてイラン・イスラーム文化が発展。現在も残る世界遺産建築物の多くは、このティムール朝期に建築されたものです。ビービー・ハーヌム・モスクやシャーヒ・ズィンダ廟群などのイスラーム建築の多くは青色基調で、その美しい空の青色と合わせてサマルカンドは「青の都」と形容されることもある、実に美しい都市なのです。私のオススメは、ずばりウルグ・ベク天文台!この天文台はティムール朝第4代君主で天文学者でもあるウルグ・ベクが建設し、現代のコンピュータが計算した太陽年と誤差が約2秒という、非常に正確な暦を計算したことで知られています。現在は一部の建物と博物館が残るだけですが、悠久の歴史と壮大な宇宙をともに味わえる、絶好のスポットです!
◆第3位 イスタンブール(トルコ共和国)
第3位はトルコ最大の都市・イスタンブールです!この街はまさに世界史の主役といっても過言ではないほどの存在感を誇る街で、古代ギリシャの植民都市・ビュザンティウムに始まる長い歴史があります。東ローマ帝国の都・コンスタンティノープルとして繁栄を極めるも、オスマン帝国のメフメト2世によって陥落。以降はオスマン帝国の都として、イスラーム世界の中心地のひとつとなっていきました。この街はアジアとヨーロッパをつなぐ地政学的権益から欧州列強の介入をたびたび受けることとなり、またオスマン帝国崩壊後のトルコ共和国は首都をアンカラへ移しました。しかし依然としてイスタンブールは同国最大の都市として栄えており、世界最大規模のハブ空港であるイスタンブール空港には、トプカプ宮殿やアヤ・ソフィアなどの歴史的遺産を求めて世界中から観光客が集まっています。そのなかでも私がオススメしたいのは、ずばりボスフォラス海峡クルーズ!ヨーロッパとアジアを隔てる海峡を眺めながら、サバサンドとトルココーヒーで一服しましょう!米ドルやユーロに比べてトルコリラは安く、学生のお財布にもやさしいです!
◆第2位 シンクヴェトリル国立公園(アイスランド共和国)
第2位はアイスランドにある世界遺産、シンクヴェトリル国立公園です!アイスランドは北大西洋にある島国で、歴史はヴァイキングによる植民活動から始まります。長らくノルウェーやデンマークの植民地でしたが、1944年に独立。また古ノルド語で書かれた民俗叙事詩『サガ』が地理的要因から良好な状態で保存されるなど、独特な文化を形成してきました。アイスランドといえばやはりその広大な自然が有名で、シンクヴェトリルはその代表例でしょう。シンクヴェトリル付近は大西洋中央海嶺の地上露出部分となっており、ユーラシアプレートが東に、北米プレートが西に広がっている光景を眺めることができます。各地にギャオ(アイスランド語: gjá)と呼ばれる大地の裂け目が見られ、独特な岩肌や氷河、雪解け水が溜まった湖など、壮大な自然に圧倒されることでしょう。それだけではなく、この地はアイスランドの歴史に深くかかわる場でもあります。930年、植民者たちによってこの地で「アルシング」と称される民主的な全島集会が開催されました。これは単に植民活動の完了を意味するだけではなく、欧州最古の民主的議会の開催として、アイスランドの歴史的方向性を決定するものでした。この人類史のロマンが私の胸に深く突き刺さり、私は死ぬときはこの場所がいいと思っています。みなさんも、この美しい国をぜひ五感で楽しんでください!
◆番外編 碓氷峠(群馬県・長野県)
第1位発表の前に、いま私が一番気になる国内のスポットをピックアップ!その場所とは、群馬県横川と長野県軽井沢を結ぶ難所、碓氷峠です!その特徴はなんといってもその急峻な地形で、長野県側の軽井沢は標高939mと峠 (960m) との標高差がほとんどないのに対し、群馬県側の麓・横川の標高387mと極端な片勾配となっています。そのため、一般的な山脈をトンネルで抜けることで峠越えの高低差を解消できる両勾配を持つ峠と異なり、通行には近代に至るまで多くの困難を抱えてきました。最大66.7‰、水平方向に1000m進んだ時に66.7mの高低差がある状態、といえばその急峻さが伝わると思います。この急勾配を解消するためにアプト式を導入した「横軽」の歴史はここに書ききれないほど興味深いものです。また、碓氷峠にまつわる駅弁で有名なのはいわゆる「峠の釜めし」で、碓氷峠通過に際し補助機関車の連結が必要なために長時間停車するという条件下から流行しました。北陸新幹線操業に伴い信越本線横川 - 軽井沢間は廃止されましたが、現在では北陸新幹線内や麓のドライブインなどでも販売されており、その気分を追体験することができます!
◆第1位 グリーンランド(デンマーク王国)
第1位はヨーロッパ最果ての大地、グリーンランドです!グリーンランドといえばメルカトル図法でやたらと大きく見える寒い島、というイメージでしかあまり知られていないかもしれません。しかし、この島は実に魅力あふれる土地なのです!この島はアイスランドと同じくヴァイキングによる植民活動からデンマーク=ノルウェーの支配を受けることとなりましたが、カラーリット(イヌイット)という先住民たちがいました。キリスト教の影響をふんだんに受けた北欧文化が政治的にも強い影響を及ぼしていた一方で、カラーリットたちは現在に至るまで独自の文化を保持し続けています。また2018年、氷河の大地とフィヨルドの海の間で4,000年前から狩猟生活を営むカラーリット文化が残るイルリサット・アイスフィヨルドはUNESCOの世界遺産に登録され、まさに今注目を集めています。グリーンランドといえば、かのタイタニック号を沈没させた氷河のように氷の大地が広がっていると、私は思っていました。もちろん北極圏には大陸氷河が広がっていますが、しかしその名の通り「緑」が生い茂る場所もあります。夏には平均気温が10度近くまで上がってトナカイやホッキョクウサギなどの哺乳類が顔を見せ、家畜たちは牧草地を駆けます。フィヨルドの間を船で廻って、しばし上陸しその広大な自然に身をまかせる… これが今の私の夢です!
◆最後に
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!長々と私の所感を述べさせていただいたのですが、いかがだったでしょうか。これを読んでくださったかたが、少しでもこれらの地域に興味をもっていただければ幸いです!
R.T.(学生スタッフリーダー)
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