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執筆者の写真Rin

迫真水族館部 国内旅行の裏技 その2

更新日:2022年9月7日

Grüß Gott! 1年半ぶりにドイツ語を学び始めました、SSL(Student Staff Leader)のレヴィア(Levia)ことR.T.です。3年生も秋学期、就活やら勉強やら毎日がとても忙しいです。私の大学生活はあと半分もないという事実に衝撃を受けながら、語学スキル上達のため日々精進しています。


さて、今回のブログのテーマは、日本の水族館第2弾です!


みなさんは、水族館は好きですか?私は大好きです。数多くの魚類はもちろんのこと、刺胞動物や軟体動物、甲殻類など無脊椎動物の展示は、人類が歴史を育むはるか以前から続く進化の歴史を眼前に見せてくれます。水棲の両生類・爬虫類がユニークな形態で興味深く、言わずもがなペンギンをはじめとする鳥類や哺乳類など海獣の展示は大迫力。ショーやお散歩は何度も見に行きたくなります。そしてなにより、その土地ならではの生態系についての展示があり、まさに非日常の場所にいるのだと実感することができます。私はもともと国内旅行をよくするのですが、特に最近は個人的な水族館ブームの只中にあります。理由はいくつかありますが、やはり普段の生活では見ることのできない生物たちの生命力が感じられること、ヒトに至るまでの地球数億年の歴史をさまざまな生物の進化を通して目撃できること、ラテン語(生物の学名はラテン語、正確には少し違いますが)を日常的に見ることができる数少ない場所、というのが主たる理由でしょうか。最近のイチオシは棘皮動物(Echinodermata)です。五放射相称という独自の形質をもち、ウミユリ綱のように一見して動物にも思えない生物までいながら、それでいて後口動物という点からは脊索動物と近縁であるというのは驚きです。


そういうわけで、我が国に100以上もある水族館のうち、私が訪れたいくつかを紹介します!どの水族館も魅力的で、可能ならばすべてを紹介したいのですが、それをするには余白が足りません。そこで、いくつかの観点から総合的に評価してピックアップし、私のイチオシ水族館の魅力を語っていきたいと思います。


念押ししますが、この文章はただのブログです!単に、私の私による私のための備忘録でしかないのですが、もしよければ、みなさんの旅行の参考になればと思います。なお、あまり西のほうには行っていないので、水族館の分布にも偏りがあります。また、紹介する水族館はどれも大好きですが、貧乏学生の視点から辛口評価を下すかもしれません…。


ここで宣伝を。水族館を舞台としたテレビアニメ『白い砂のアクアトープ』、絶賛放送中です。ぜひ観てください。


新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)

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・展示内容:☆☆☆☆

・入館料:☆

・アクセス:☆☆☆☆☆

・周辺施設:☆☆☆☆

・眺望:☆☆☆☆


トップバッターは、湘南にある超有名水族館をご紹介。私は小田急沿線の民なので、乗り換えなしで行けるということから、私にとって最も身近な水族館のひとつであると言えます。さまざまなメディアで取り上げられている超有名水族館ですから、正直なところ、過大評価が過ぎるのではないかと疑っていました。しかし、その予想は良い意味で裏切られることとなりました。我が家から1時間半もかからないほど、小田急線片瀬江ノ島駅から相模湾へ歩みを進めます。道中あった藤沢市観光センターにテレビアニメ『アサルトリリィ BOUQUET』のサイン入りポスターがあり、私のテンションは爆上がり。しかし、開館時間15分前に水族館に到着するも、家族連れとカップルで既に列が。混雑している水族館はイヤだなあと思いながら、いざ入館。私が朝イチで水族館に行くときの歩き方は決まっていて、入口から出口までざっと歩いてみて展示内容を見定めます。そしてこの水族館が、「よい」ことが直ぐに理解ります。相模湾についての大型水槽、神奈川県内の淡水生物展示、海獣やペンギンもいます。もう一度最初からゆっくり見てみますと、学名表記もしっかりしており、コラムも読みやすく興味深い内容です。なにより私の印象に強く残ったのは、皇室ご一家の生物学研究についての展示です。よく知られている通り、昭和天皇や上皇陛下は生物学・分類学を修められた世界でも著名な学者であり、お二人の海洋生物研究は葉山の御用邸から相模湾周辺の海を中心に行われたということで、葉山からほど近いこの水族館に展示があることも納得です。上皇陛下のご専門がハゼ(Gobioidei)であることは知っていましたが、昭和天皇のご専門って刺胞動物門ヒドロ虫綱(Hydrozoa)なんですね...。予想外の分野に衝撃を受けながら、宸筆の論文の数々にもさらに衝撃を受けました。そして帰り際、相模湾越しの美しい富士山も見えました。総合評価として大満足な水族館でした。


おたる水族館(北海道小樽市)

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・展示内容:☆☆☆☆☆

・入館料:☆☆

・アクセス:☆☆☆☆

・周辺施設:☆☆☆

・眺望:☆☆☆☆☆


札幌駅から函館本線に乗り北に進路をとるとまもなく、車窓は石狩湾の絶景を望むことになります。札幌~小樽間を結ぶ日本でも有数の歴史を持つこの路線は、北海道の発展の黎明期を支えた路線であり、いまや札幌市は人口200万人近くの大都市へと成長しています。かたや小樽市の人口は12万人程度と、一時期の発展に比べると衰勢を感じられるものですが、それでもさまざまな観光資源を有し道内でも屈指の人気都市です。そんな小樽市に私が初めて訪れたのは2016年のことで、湾と坂が生み出す美しい街並みに一目惚れしたのでした。3回目の訪問となった今回は、かねてより行きたかったおたる水族館へと足を運びます。小樽駅からバスで20分ほど、祝津という地区に到着。小樽築港周辺とは違い、明らかに漁村の雰囲気です。そして水族館に隣接する遊園地は大山寺遊園か行川アイランドかといった風貌、水族館の内装も昭和オーラが全開です。入館してすぐにウミガメの展示があり、生命のニオイがむんむんと漂っています。北海道の海の生き物はやはり内地のそれとは違うなあと展示を眺めながら、海獣ゾーンの案内が。ああ、やはり外に海獣の展示があるのね、そう思って外に出ると、信じがたい光景が。沈水海岸の溺れ谷に、外海と直接つながった海獣プールが眼下に見えます。急な坂を下り海に近づくと、トド、アザラシ、ペンギンなど数多くの海獣展示は実に迫力があります。アザラシはいったい何匹いるのか!?アザラシ用の餌魚販売があり、アザラシたちは人間から魚を貰おうと必死にアピールしています。アザラシそれぞれが個性的なおねだりをしており、興味深い光景です。そしてプールすぐ目の前にある露頭には、非アルカリ苦鉄質火山岩の柱状節理がはっきりとみて取れます。水族館自体は高台にあるのでよい景色だなあとは思っていましたが、まさか火山性の大地であると実感できるとは。再び館内に戻ると、まだまだ展示が続いていることに驚き。さらにタッチプールがあり、生まれてはじめて棘皮動物にナマで触れる機会を得、感動を隠し切れません。小樽大好きな私の心をさらに満たす、大充実の内容でありました。


新潟市水族館マリンピア日本海(新潟県新潟市)

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・展示内容:☆☆☆☆☆

・入館料:☆☆

・アクセス:☆☆☆☆

・周辺施設:☆☆

・眺望:☆☆☆☆


私にとって思い出深い2階建て新幹線:Max E4系が今秋中に引退するとのことで、ぜひ最後にもう一度乗車すべく新潟市にまで足を運びます。北陸新幹線が金沢まで延伸する前、我々富山県民が関東へ向かうとなると、北越急行経由で越後湯沢駅まで来、そこで上越新幹線に乗り換えるというのがセオリーでした。そこで活躍していた新幹線がMax E4系であり、朧気ながら、幼い私が2階建て新幹線に興奮を覚えた情景が浮かび上がってきます。しかし、富山県に隣接する県であるとはいえ、県庁所在地の新潟市ははるか北方にあります。実家から在来線で7時間かけてようやく到着した新潟駅は大規模工事中でした。新潟駅からバスで20分ほど、日本海を間近に望む海岸に、目的地の水族館があります。朝イチで来たのでいつものムーブを発動、ざっと館内を見て回りましょう。なるほど、なんとも充実した内容です。入口から見た館内は来客に新鮮で広々とした印象を与え、大型水槽のトンネルや刺胞動物展示の雰囲気は没入感を増大させ、山から海までさまざまな水系に生息する生物の展示は素晴らしい。館外にはイルカやアザラシ、アシカやペンギンなど海獣の展示も充実しています。日本海エリアには造波(造潮?)装置を設けた水槽があり、屋内に居ながらにして日本海の波の音を実感できる仕組みとなっています。その水槽の前で15分くらいぼんやりとしている私。やっぱり私は日本海が好きなんだなあ、そう思った瞬間でした。その先には、新潟市を流れる2つの大河川である信濃川と阿賀野川についての展示。やはり、淡水水槽の中に大きなサケ科の魚がいるとよく映えますね。この水族館のように、ひとつの風土の山から海まで、幅広い生態系を実感できる展示がとても好きです。自然豊かな都会にある、大満足の水族館でありました。次回はぜひ、小樽~新潟を結ぶ日本海フェリーで行くことにしましょう。


山梨県立富士湧水の里水族館(山梨県南都留郡忍野村)

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・展示内容:☆☆☆☆☆

・入館料:☆☆☆☆☆

・アクセス:☆☆

・周辺施設:☆☆☆☆

・眺望:☆☆☆☆


海に面していない県にも、実はステキな水族館があるのです。本音を言うと、私は遠景からの富士山が一番好きなのですが、それでもやはり、富士五湖エリアに来た時に目にする大迫力富士山もよいものです。富士急行線河口湖駅からバスで20分ほど、山梨県は忍野村へ到着。富士山が生み出す湧水が得も言われぬ絶景を創り出している忍野八海のすぐそば、穏やかな清流の音色が心地よく、サケ科の魚影も肉眼でよく見えます。そんな自然の中に位置するのがこの水族館。まずは外観チェック、建物の外にも展示がある水族館、好きです。早速入館、まだ展示を見ていないとはいえ、入館料420円は安すぎる!展示は小さめの水槽から始まり、子どもたちの視線に合わせた高さに作られています。しかしその説明内容は実に興味深く、もちろんラテン語学名完備、飼育員作成のコラムはウィットに富んだ内容です。淡水水族館の主役といえば、やはりサケ科の魚。館内中央にある大水槽にはサケ科の魚が一堂に介しており、山奥のひっそりとした水族館とは思えないほどの迫力があります。そしてこの水槽は館内のさまざまな角度から観察できる構造となっており、サケ科の見分け方についてのコラムも合わさって、とても惹きつけられてしまいます。その他の展示も、私が過去訪れた水族館では見たことがない独特の展示方法がいくつもあり、唸らせられます。なにより強く私の印象に残ったのは、日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)についての紹介です。日本住血吸虫は、かの悪名高い地方病を引き起こす寄生虫であり、最終宿主となる山梨県民(Homo sapiens)が総力を挙げて中間宿主となるミヤイリガイ(Oncomelania hupensis nosophora)を撲滅した歴史はよく知られています。そうした、ともすると眼を背けたくなるような歴史を、生物の研究と多様性の保護を謳う水族館という施設で紹介しているのは、個人的には良い試みであると感じ入りました。帰りはほうとうを食べました。美味しかったです。


仙台うみの杜水族館(宮城県仙台市)

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・展示内容:☆☆☆☆☆

・入館料:☆

・アクセス:☆☆☆

・周辺施設:☆☆☆☆

・眺望:☆☆


上野駅から4時間半、震災から全線復旧したばかりの常磐線の旅を終え、杜の都:仙台市へ到着。ずんだシェイクの新食感に舌鼓を打ちながら、中野栄駅という、東京メトロにありそうな駅で降ります。ひっきりなしに行き交う大型トラックと遠方に見えるコンテナや大型船は、ここが海上交通の要衝であることを実感させます。そんな場所にあるうみの杜水族館、何を目的で訪問したかというと、私はホヤを見たかったのです。ホヤ(Ascidiacea)は脊索動物門尾索動物亜門の海産動物であり、一見すると海藻あるいはサンゴのようにも思えますが、実は我々ヒトと近縁の動物であります(ヒトは脊索動物門脊椎動物亜門哺乳綱に属する動物です)。そして宮城県三陸地方はホヤの養殖で有名であること、この水族館にホヤの展示があることを知っていたことから、私はこの水族館を訪れたいとかねてから切望していたのです。さあ入館してすぐに、件の水槽があります。視線を上に向けると、ホヤの養殖展示が。なるほど、オタマジャクシ幼生では脊索を保持していると聞きますが、このように成体の展示となると、ヒトと近縁の動物であるとは信じがたいですね。次にお目にかかる大水槽も、なかなかの迫力。近隣の海で保護したというスナメリ(Neophocaena phocaenoides)もいましたが、とてもよく馴染んでいます。清掃中のダイバーにちょっかいをかけている姿は実に愛らしい。続く展示も素晴らしいもので、仙台周辺の海水・淡水生物の展示のみならず、世界の生物の展示も充実。広瀬川という仙台市を象徴する川があるのですが、これは仙台市に水源があり仙台市を流れ仙台市で海に合流するという、仙台市完結型の河川ということで驚きです。そしてなにより、ペンギンの種類が豊富なのも好き。帰り際、水族館のお土産コーナーでおつまみサイズのホヤを買って帰りました。「海のパイナップル」とはよく言ったもので、独特の食感でした…。


のとじま水族館(石川県七尾市)

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・展示内容:☆☆☆☆

・入館料:☆☆

・アクセス:☆☆

・周辺施設:☆☆

・眺望:☆☆☆☆☆


我が地元:富山県の隣に位置する石川県ですが、実のところ、私にとって能登エリアはあまり身近ではありません。金沢をはじめとする加賀エリアはしばしば訪れることはあっても、この七尾市を訪れたのは小学生の時分以来でしょうか。そんな遥か彼方の情景を瞼の裏に見つめながら、自分で稼いだお金で、鉄道やバスを乗り換えて実家から1人ではるばるこの地にやってきたというのは、得も言われぬ感動を覚えます。さて、和倉温泉駅からバスに乗って20分ほど、和倉温泉街を通り過ぎると目の前に大きな橋が見え、かの日の思い出がフラッシュバックしてきます。この能登島大橋を渡るとそこは能登島、周囲約72kmもある大きな島で七尾市側の湾を塞ぐかたちで浮かんでおり、能登の風景を特徴づけています。冥王星の存在を予見した偉大なる天文学者:パーシヴァル・ローウェル(Percival Lowell)が能登を訪問し『NOTO』なる書を残したことは有名ですが、彼の心を惹きつけたであろうこの地の魅力を、その風景を垣間見ただけでも実感できました。そんなことを思いつつ水族館へと近づくのですが、反対車線も駐車場もなかなかの混雑具合。昔から大人気施設であることは変わりない様子です。入館してすぐにあるのは「ジンベエザメ館」。その名の通り、現生最大の魚類であるジンベエザメ(Rhincodon typus)をはじめとした大型の回遊魚を展示する超大型水槽であり、日本海側では初のジンベエザメ展示とのこと。超大型水槽をスロープでゆっくりと下りながら、さまざまな角度から生き物を眺めることができます。続く水族館本館の展示も、なかなか興味深いものが多く記憶に残っています。「のと海遊回廊」は広く全体を観察できる一体型のアクリル水槽を採用し、加えてプロジェクションマッピングを常時投影することで上下左右の視覚を刺激する、独特の展示です。もちろん展示内容も充実しており、能登半島周辺の海生生物の展示が目白押し。大満足の館内を後に海獣展示に向かう際、正面には美しい能登の海と対岸には穴水町が見えます。この絶好の風景は、他の海岸では決して見ることのできない自然の美しさであり、得も言われぬ感動を覚えます。気を取り直して海獣展示、ウミガメからイルカにペンギンと、必要十分の内容です。木琴を弾くアシカは、記憶にまだ新しいです。次回来るときは、是非のと鉄道でゆっくりと車窓を眺め、そして和倉温泉でゆっくりしたいですね。


アドベンチャーワールド(和歌山県西牟婁郡白浜町)

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・展示内容:☆☆☆☆☆

・入館料:☆

・アクセス:☆☆

・周辺施設:☆☆☆

・眺望:☆☆☆☆


水族館ではなく遊園地ですが、ここで紹介するだけのワケがあるのです。関西のリゾート地といえば、三重県は伊勢志摩エリアと、もうひとつが和歌山県の白浜エリア。白良浜の美しい砂浜や千畳敷の岩肌は、日本列島の大自然を体感するにはうってつけです。紀伊半島の奥地に位置しアクセスが悪いようにも思われますが、大阪からの直通特急列車があったり、南紀白浜空港から羽田空港へは1日3往復あったりと、実は大都市からのアクセスも容易なのです。そんな白浜にある一大観光地といえば、やはりこのアドベンチャーワールドでしょう。陸海空の140種1400頭の動物が暮らす、動物園・水族館・遊園地が一体となった巨大なテーマパークです。お値段も私史上最高額を記録しました。パンダがいることは知っていましたが、それ以外の事前知識を入れずにいざ出発。白浜駅から徒歩3.4kmほど、目的地は丘の上にありなかなかしんどい道のりです。平日の昼間に来たのにすごい混雑ですね…。ソロ遊園地はいつも独特の緊張感を覚えます。しかし、エントランスドーム内の噴水?のような場所になんとケープペンギン(Spheniscus demersus)が泳いでいるのを発見し、これは期待できると確信します。直進してさっそく「ペンギン王国」というあまりにも魅力的過ぎるワードを発見し、小刻みにステップを踏みながら館内へ。なんだこれは…たまげたなぁ。いったい何匹いるのでしょうか、夏場の汗を吹き飛ばす寒々とした館内には、視界に入る限りのペンギン、ペンギン、ペンギン。その種数も驚くことなかれ、コウテイペンギン(Aptenodytes forsteri)、キングペンギン(Aptenodytes patagonicus)、アデリーペンギン(Pygoscelis adeliae)、ジェンツーペンギン(Pygoscelis paupa)、ヒゲペンギン(Pygoscelis antarcticus)、キタイワトビペンギン(Eudyptes moseleyi)、フェアリーペンギン(Eudyptula minor)、ケープペンギン、すなわち私が今まで見たことない種もいます。特にコウテイペンギンは初見ですが、実にデカいです。そしてそのずんぐりむっくりとした形質、実に愛らしいです。何故ペンギンはここまで私を惹きつけるのでしょうか?ぼーっとしているペンギンぼーっとを眺めているだけでも一日過ごせそうな気もしましたが、せっかくなので他の施設も行きましょう。アドベンチャーワールドの目玉はなんといってもパンダ。私にとっては人生初パンダでした。そしてサファリパークにはさまざまな動物がいて、これもまた興味深い。ふれあいエリアでは動物が放し飼いにされており、本当に手と手で動物と触れ合えます。鳥類施設で目の前をクジャクが優雅に歩く姿を眺めたこの感覚、島根県松江市の松江フォーゲルパークを訪問して以来の感覚です。動物を身近な距離でゆったりと感じることができる、とてもよい体験でした。


アクアマリンいなわしろカワセミ水族館(福島県耶麻郡猪苗代町)

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・展示内容:☆☆☆☆

・入館料:☆☆☆☆

・アクセス:☆

・周辺施設:☆☆

・眺望:☆☆☆☆☆


猪苗代湖は日本で四番目の大きさの湖であり、その光景はド迫力。磐梯山の爆裂火口と寄生火山がどっしりと北方に構え、東西は一目でわかる構造盆地の地形、湖畔は強い波が押し寄せるほどでその規模の大きさを実感させます。さて、野口英世の故郷で野口英世札1枚を支払い、電動自転車を借ります。磐梯山の方角へ歩みを進めて4kmほど、風景は稲と蕎麦が実りの時期で美しく、道中なかなかの傾斜に電動のありがたみを噛みしめながら、目的地の水族館へと到着です。外観の第一印象は、自然公園の中にたたずむ、小さな水族館という印象。実際に館内を歩いてみると、とてもコンパクトな展示です。猪苗代湖や福島県内に生息する淡水魚や両性類、そしてカワセミなど川鳥が館内にひっそりと暮らしています。その中でもゲンゴロウ(Dytiscidae)の展示は充実しており、日本生息種の全てを集めているのではないかという気合の入り方です。唯一の哺乳類であるカワウソの展示は、かつて訪れたアクアマリンふくしまと本館が姉妹館であることを連想させるものであります。また、私が訪れた時には冬虫夏草についての展示があり、これもまた興味深い内容でありました。言葉で表現することは難しいのですが、この水族館のひっそりとした雰囲気が得も言われぬ良さを醸し出しています。校外学習中の小学生の一団も、ある種の旅情を掻き立ててくれて、微笑ましいものです。そして水族館とは直接関係ないものの、館外にある軽便鉄道旧客車の展示は、まさにこの地域の歴史を伝える生き証人であり、地域社会の栄枯盛衰を偲ばせるものです。人々の求めるものが、資源としての硫黄から自然そのものを体験することに替わってしまったのでしょうか。はるか磐梯山に見えるスキー場も、それを感じさせます。ちょっと寄り道をし、天鏡台・昭和の森公園から猪苗代湖を望む絶景に歌を詠んでいたところ、帰りの鉄道までの時間があまりないことに気づき衝撃。汗だくになりながら、急いで駅まで自転車をこぎました…。


伊豆・三津シーパラダイス(静岡県沼津市)

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・展示内容:☆☆☆☆

・入館料:☆

・アクセス:☆☆☆

・周辺施設:☆☆☆☆

・眺望:☆☆☆☆☆


アクアリウムで (Yeah!) 二人が出会うファンタジー ふいにときめくの それは恋の魔法 (Fantastic Love!) アクアリウムで (Yeah!) 気づいて 胸の奥に秘めてた 本当のきもち これから素直になってみよう 大好きはもうかくさない! (なーい!)


静岡県沼津市。縦に長い市域とみかんが有名ですが、実は、水族館が密集する全国でも稀有な場所であります。伊豆箱根鉄道駿豆線伊豆長岡駅からバスに乗り、進路は西の内浦へ。この内浦の地は、かの有名なテレビアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』の舞台になったとのことで、のぼり旗や店内のポスター、鉄道やバスのラッピングに至るまで、さまざまな箇所にその様子が見て取れます。そんな温もり溢れる内浦でまず訪れたのが、この伊豆・三津シーパラダイスです。そうですね、Aqoursの2ndシングル『恋になりたいAQUARIUM』のMV、あるいはアニメ2期4話「ダイヤさんと呼ばないで」で登場した水族館ですね。その情景が脳裏に思い浮かんでくるだけで満足なのですが、水族館好きとして、展示も全力で楽しみます。館内の展示はまあまあの広さですが、何よりも特徴的なのが、駿河湾と直接つながった海獣プールです。おたる水族館でも同様の施設は見ましたが、緯度の差から海水温や気候は全く異なり、アザラシ、アシカ、イルカ、ペンギンなどの棲んでいる種も異なるわけです。そのプールではハンドウイルカとカマイルカをじっくりと観察することができ、この水族館でようやく区別できるようになった気がします。また養殖漁業を伝える展示として、同様のプールにタイがたくさんいたのも興味深いです。高松城かな?そして本日は台風一過の雲一つない青空、後述の淡島を手前に映し駿河湾と富士山がたいへん美しく見えます。たとえ事前知識なしで訪問していたとしても、よい水族館だと感じていたに違いありません。


あわしまマリンパーク(静岡県沼津市)

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・展示内容:☆☆☆☆

・入館料:☆☆

・アクセス:☆☆☆

・周辺施設:☆☆☆☆

・眺望:☆☆☆☆☆


まさかの時の二連続沼津!上の伊豆・三津シーパラダイスから歩いて20分ほどの場所に、もうひとつ水族館があります。本日は雲一つない快晴、駿河湾と富士山を同時に望むお散歩は格別に気持ちの良いものです。道中にはAqoursのみんなが練習していた砂浜や高海千歌ちゃんの実家も見えます。太宰はどこ…?それはさておき、さきほどから進行方向左手に見えていた離島へと船で渡りましょう。ここが淡島、水族館の入館料は淡島への往復フェリー代金も込みとなっています。チケット売り場で聞こえた音楽は、『WONDEFULL STORIES』桜内梨子ちゃんのソロバージョン。なるほど、訪問前日が桜内梨子ちゃんの誕生日、訪問翌日が黒澤ルビィちゃんの誕生日ということで、彼女たちのグッズを身に着けたファンが多い印象を受けます。そうです、この淡島も『ラブライブ!サンシャイン!!』の舞台となった場所、いわゆる聖地なのです。さてフェリーは数分で島に到着、水族館を巡る前にまずは島を一周してみましょう。奥に見えるホテルは小原鞠莉ちゃんのご実家でしょうか、怪しげなキラキラ隧道をくぐり島の反対側へ。この辺りまで来ると、あちこちに火山性地質の露頭が目に付くようになります。後期中新世から鮮新世にかけて生成された非アルカリ苦鉄質火山岩の柱状節理、まさにおたる水族館で目にしたものと同じですね。ただし、そんな堅苦しい知識がどこかにとんでいってしまうほど、晴天の駿河湾の美しさは私の心を惹きつけてやみません。1週2.4kmほどですが、景色に見惚れて疲れを忘れるほどであり、つい3周もしちゃいました。そうとはいえ、島中央の山上にある神社まで登るのは一度きりでお願いしたいです。そこまで高い山ではないといえ、汗だくになりながら山頂まで到達。Aqoursのみなさん、ここの階段を昇り降りして練習するのは無理があるのでは…?山頂に佇む祠に祀られているのは、宗像三女神が一柱市杵島姫命と、インド神話から弁財天と毘沙門天。海上交通にまつわる由緒でしょうが、なんとも不思議な光景です。そして下山し左手を進むと、国内屈指の展示種数を誇るカエル館があります。両生類の知識がほぼほぼなかった私は、じっくりとカエルを眺めることができたので大満足。松浦果南ちゃんの展示も充実していました。水族館自体は非常にコンパクトながら、飼育員作成のコラムなど飽きさせないつくりです。島全体をひとつのアトラクションとして楽しめる、新感覚の水族館でありました。いろいろとトラブルに巻き込まれているそうですが、なんとか存続してほしいものです。


おわりに

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 以上、私の主観による水族館紹介でした。少しでも皆さんの参考になったならば幸いです。どの水族館もそれぞれ違った魅力があり、訪れるたびに新鮮な喜びを感じることができると思います。そして往々にして、水族館の周りは水産資源が豊富。水族館を訪れる予定を立てる際は、その日の食事選びもまた楽しいものです。皆さんも、お出かけの際にはぜひ水族館に行ってみてはいかがでしょうか。いつも見ている自然の景色が、いつもとは少し違ったように見えるようになるかもしれません。


R.T. (Student Staff Leader)

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